幼稚園の、1日体験入園に行ってきました。幼稚園からの説明を受ける中で、園への信頼が増す話を聞けたので共有してみたいと思います。
「障害児と差別」の話です。
体験入園というから、その名の通り幼稚園ライフを体験できる日なのかと思っていました。
保育参観に近いような形で
来年度から一緒のクラスになるお友達と一緒に、歌ったり? 先生のお話を聞いたり? しながら、
初顔合わせとかするのかなって。
それを保護者は後ろで見てたりするのかなって。
普通に保護者説明会でした。
そうでした、そうでした。
保育園でも、説明会や保護者会は「懇親会」という名で行われていたりするのでした。
うっかりしていました。
「今日は幼稚園で一緒に遊ぶよ〜*^^*」
「今日はお母さんも一緒のお部屋にいるよ〜*^^*」
などと話しながら幼稚園に向かっていたので、
誤解のせいとはいえ、嘘をつく形になってしまった。
「ごめん、お母さん向こうのお部屋で説明聞いてくるから、こっちで遊んでてね」と言って
別室に去りました。
周囲は基本的に1つ年下の小さな子たちばかりで、泣いている子も多かったり。
そんな環境で、やはりちょっと不安そうな顔をしていたうちの4歳。
「すまんな、どうしても母に会いたくなったら、そこらへんにいるエプロンしてる人先生だから、相談してみてくれ」
とだけ言い残しました。
そうして別室で行われた、保護者説明会。
保険の話とか、
「入園してすぐはお子さん泣いたりしますけど、保護者さんはすっと離れてくれて、職員に任せてくれて大丈夫ですよ*^^*」っていう保育園でも言われたなって話とか、
「お友達同士で噛んだり噛まれたり、喧嘩して泣かせてしまったり泣かされたりあると思いますが、そういういざこざというのも貴重な経験です。安心できる環境で、安心していざこざを起こせるというのは、子どものこれからの成長のためにも大切です」っていう保育園でも言われたなって話とか、
延長保育についての「お仕事をされている方ももちろんですし、用事が長引いたとか、今日はちょっとゆっくりしたいからとか、先に買い物してからお迎えに来たいとか、どんな理由でもご利用いただいて大丈夫なので、お気軽に*^^*」っていう、これは認可保育園では言ってもらえなかったな嬉しいありがとう優しい……って言葉とか(無認可園の時は、延長利用に限らず「保護者さんがゆとりを持って育児できるのが大事ですから」ということで言ってくれていましたが)
を聞いて、
うんうん頷いていたのですが、
特筆すべきは、ラストにあった話です。
「うちは、障害児と呼ばれるお子さんの受け入れも行っています」と。
ちょっと記録しておきたい感じの話だったので、以下に記します。
(ここまでダラダラ長くてごめんなすって!)
1、障害児の受け入れをします、という方針
大変に残念な話なのですが、障害児は、幼稚園の入園を断られてしまうことがあります。
障害児だけでなく、医療的ケアが必要な子もそうですね。
施設の、物理的な問題でどうしようもない、ということもあるのかもしれませんが
そんなもん、子ども本人や保護者には知ったこっちゃない話で
こういう”排除”って、とても理不尽なものですよね。
4歳が来年度から通う園では、しかし、受け入れをしています。とのこと。
先生の数を加配しています。
このへんは保育園でもそうですね。
現在通っている保育園でも、障害のある子(と、いわゆるボーダーと思われる子)がクラスにいて、加配の先生もいます。
子ども自身のためにももちろん、
保護者さんたちは、行き場がなかなかなくて本当に困っている。負担が大きい。
そういう保護者さんたちの期待に応えたいという気持ちがありますので、当園では受け入れを行っています。と。
だいたい1クラスに1人くらいの割合になります。
とのことでした。
そういえば、ここの園は
2ヶ所ある入り口を入ってすぐの、それぞれわかりやすい場所に「バリアフリー施設案内」みたいな名前で
スロープや広めトイレの案内図があったのでした。
2、”障害児”の割合について
発達障害と呼ばれる子の割合は、5〜6%程度と言われています。
と、いう説明がありました。
小学校に上がっても、社会に出ても、それくらいの割合でいるということです。
1クラスに1〜2人くらいの割合です。
いるのが普通です。
ですから、うちの園にもいます。
と、いうことでした。
3、差別について
障害がある子がいる、いろいろな子がいる、いろいろな人がいる、ということを
当たり前のこととして知っておくのはとても重要です。
存在を知らないこと、また知っていても関わり方を知らないでいると
いじめや差別に繋がります。
と。
これはとても重要な話と、私は感じました。
差別って、必ずしも意図・悪意を持って行われるものではありません。
謝罪文などで「差別の意図はなかった」って説明がされること、わりとありますが
意図は関係ないんですね。
差別は構造の話です。
マイノリティ(必ずしも個体数の話だけじゃないです)(発言力、権力、資本力など)とマジョリティという構図があって
マイノリティが”いない”のが当然のように、環境・風潮・制度が設計されていると起こります。
そういう構造が差別をつくりますし、そういう構造そのものが差別です。
つまり
子どもたちの性格だったり、「意地悪な気持ち」だったり、悪意の有無に関係なく
いないことが当然で、関わり方を知らなくて、関わり調整しなくていいと思っていて、それが当たり前になってしまうと
誰でも差別をする側にまわることになります。
と、いうような指摘だったのだと思います。
……ここまで詳しい説明があったわけではないですが。
このあたり、大変に納得できる話でした。
(4、ただ、障害児は非障害児のために存在しているわけじゃない)
上述の話をふまえて
「障害のあるお子さんがクラスにいる、というのは、お子さんたちの成長にとってもね、よいことだと考えています」
と、いう感じの説明もありました。
この部分だけは「そんなこと言わなくていいだろうよ」と思いました。
障害児の存在が、非障害児にとっても喜ばしいことになる、というのは
あくまで結果論というか
付随して得られることもあるかもしれないね、ていう性質のものであって
目的ではないですよね。
障害児は、非障害児がよりよく成長するために存在しているわけではないので。
非障害児へのプラスの効果があるかないか、なんてことは、考慮する必要はないんです。
……ただ
保育園という福祉の範疇の支援施設にあってさえ
「うちは保育料いっぱい払ってるのに、そうじゃない家庭の子と同じ内容でしか保育されないのは不満」なんて声が
毎年複数あがってくるような、教育に失敗された保護者も少なくないご時世ですから
余計なクレームによって、障害児とその家族たちに余計な負担をかけさせない、という予防策のためにも
こういう言葉を添えずにはおられないのかな……というような感想も持ちました。
いや、それでも、このくだりはやっぱりいらなかったな。とも思うけど。
……と、こんな感じの説明会でした。
この幼稚園、正直、なんとなくの雰囲気と条件があっていたってだけで決めた部分が大半だったのですが
お話をきいて、信頼感が増しました。
給食、また延長保育の際のおやつについても
アレルギー対応に慣れている感じがして、その点も大変心強かったです。
子どもも楽しんでくれるといいなぁ。
なお、別室移動の前はちょとと寂しそうな不安そうな感じだった4歳ですが
お迎えに行った時は
うまい具合に並んで座っている子どもたち、のほぼ最前列に座り、前のめりで紙芝居に聞き入っていました。
しかも「ただいまーお待たせー」と部屋に入って行ったら
「あのね、ふふふ、おやつもらったやったの*^^* 楽しかった*^^*」
と、にっこにこ。
(もらったおやつは「ソフトサラダ」だった模様です、アレルギーっ子もわりと安心のやつ)
楽しかったのね。
よかった、よかった。
帰りは、園庭のミニアスレチックで遊び倒して帰りました。
4月からも楽しめますように。
今日は以上です!
<<今日のtips>>
子どもの頃からの分断や排除は、子どもを加害者に育ててしまうリスクをはらむ。
差別は構造の話。
お読みいただき、ありがとうございました*^^*
やまママ
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